【No.】 719
【ストレッサー】 予期せぬ事が起こりあわや
【内容】 注意を要する作業中に予期せぬことが起こると、そちらに注意がいってしまって事故が起こることを思い出す
【分類】 E 身近な出来事
【効果】 ★★★
【対処法】 今緊張してやっている作業を止めてもいいかどうかを考える余裕を持って、その手を緩めても安全に対処できるかを見極めてみる
【ストレッサー型】 2 オドオド自信喪失型
【解説】昨日の勤務中の話ですが、同僚の女性が10キロを超える重たい段ボールを持ち上げようとかがんだところ、胸ポケットに入れていたボールペンなどの筆記用具が全部床に落ちるのを目撃しました。
彼女は非常に慌てて、段ボールを持ち上げる前だったので、実害はなかったのですが、心の中は床に広がって落ちた筆記用具のことでいっぱいだったと推察されました。もし、段ボールを持ち上げた後に、同じことをしていたら、段ボールを落として、中に入っていたものを壊したり、足に落として彼女自身がケガをしていたかもしれません。
小生が、「注意を要する仕事をしている時に、予期せぬことが起こったら、注意を要する仕事を優先しないと、ケガをしたりモノを壊したりすることが起こりえますよ!」と言ったら、彼女に感謝されてしまいました。
そう言えば、小生が小学生の頃に、彫刻刀で緊張しながら版画を作っておりました。そこに急な来客があり、ピンポーンとチャイムが鳴ったので、玄関に行くために慌ててしまいました。そして、彫刻刀を誤って手に刺して出血という苦い経験を思い出しました。似たような経験はその後も続きました。
最初に、そのような失敗の対処法を教えてもらったのは、学生時代に運送会社でアルバイトをしている時でした。普段は内勤の仕事だったのですが、引っ越しシーズンになると、ドライバーのアシスタントとして助手席に座って手伝うことがありました。
ある日、ドライバーが運転中に、車内の後方の荷台が崩れて大きな音を立てたことがありました。すると、「俺は今運転中で後ろを見ることができないので、悪いけどよく見てくれないか?」と言われました。
小生は「あっ、段ボールが崩れていますよ!」と報告すると、「次の十字路で左折して停車するから、段ボールを直してくれないか?」と言われました。運転に集中している時に、よそ見したら事故が起こるかもということを教わりました。
その人からはまたある日、車の前をバスケットボールが転がって行くのが見えました。すると、急ブレーキを踏んで車を止めました。その後、小学生が車の前に飛び出してきました。「ボールが車の前に飛び出してきたら、その後、子どもが飛び出してくると思った方がいい。」ということで、その通りでした。運転に集中しているからこそできるのかなと思いました。

それから、数年後に小生は自動車免許を取ってから数カ月後のことでした。車を運転中に、助手席に置いておいた14インチの段ボール入のカラーテレビがズレて落ちそうになっていたので、少しだけ脇見をしてしまいました。
すると、前を走っていた車が急ブレーキを踏んだのに気づくのが遅れて、危うく追突しそうになりました。ヒヤッとしましたが、運送会社でのドライバーの教えを思い出しました。
自動車運転中に関わらず、注意を要する作業はたくさんあります。注意を怠ったことでモノを壊したり、ケガをしたり、人命に関わるようなことになることもあります。緊張しながら、そのような作業をしている最中に、予期せぬ事態が生じることはよくあります。
予期せぬ事態が生じても、人命に関わることを忘れることなく対処できれば一番いいのですが、人間は慌てたり、緊張したり、頭が真っ白になってしまうと、判断を間違えることもありえます。
小生が一番心がけていることは、予期せぬ事態に対処しなければならない時、今緊張してやっている作業を止めてもいいかどうかを考える余裕を持つことにしています。そして、その手を緩めても、予期せぬ事態に安全に対処できるかを見極めた上で、対応することが大切だと思っております。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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