【No.】 405
【ストレッサー】 部品の価格査定ができない
【内容】 新規購入部品の見積書を仕入先から提示されても、その価格の妥当性を査定する能力がないことを嘆いてしまう
【分類】 D 仕事
【効果】 ★★★
【対処法】 3社の見積書を入手して価格の査定をしたことにしてもらうが、課長のように価格査定ができる方法を見つけようと思う
【ストレッサー型】 4 モンモン未来不安型
【解説】年に2回の4月と10月に、購入部品の仕入価格を見直しする交渉がありました。定期コストダウン交渉と言っておりました。4月適用分は2月から、10月適用分は8月のお盆休み明けに始まりました。
仕入先各社に書面でコストダウン(原価低減)のお願いを送付していました。コストダウン率は5%を目標としていましたが、実際は半分の平均2.5%前後のコストダウン率の結果になることが多かったような記憶があります。
実を言うと、このコストダウンした金額というのは、営業利益に直結する重要な金額になります。小生は量販店での仕入商品の価格交渉の経験があり、コストダウン交渉は得意だったかもしれません。会社の業績がよかったので、課長の了解を得て、仕入金額の多い仕入先に対して10%のコストダウン交渉をすることになりました。
結果として5%の原価低減となりました。資材調達部全体としても3%の原価低減を実現しました。仮に年間の資材購入金額が1000億円とすると、3%だと30億円がそのまま営業利益になるはずでした。
ところが、資材調達部長は30億円が部門の成果として役員会で報告してしまったため、それを聞きつけた営業部門が30億円分安売りをしてしまいました。あっという間に、資材調達部で稼いだ30億円の利益が消えてしまいました。
年に2回も定期コストダウン交渉があると、仕入先も知恵をつけて最初の価格を高めに設定して見積書を提出してくるところもありました。これを防止するためには、同等品の見積書を違う仕入先2社から入手して比較をし、その価格に合わせてもらうという方法がありました。
新規部品の価格交渉において、小生の最大の悩みは、部品を見てこれはいくらぐらいという価格査定ができなかったことでした。課長は資材調達の仕事を15年もしていたので、仕入先担当者が見積書を出す前に、部品の現物を見ながら「これは〇〇円ぐらいだね?」と価格査定をする能力を持っていました。
これはすごいなと感心して驚きながら課長の顔を見ていました。経験が長くなると、目の前にある部品と過去に買ったことのある似た部品を思い出し、その購入価格との比較が頭の中でできているのかなと想像することができました。
新規部品の価格決定には担当者と課長と部長の3つの印鑑が押されて承認される仕組みになっておりました。小生のように価格査定能力がない者は、同等品の見積書を他の2社から入手して、3社の見積書を添付して価格査定をしたとみなされて承認を得ていました。
早く課長のように価格査定ができるようになりたいと思っておりました。課長とは違う、数学的な式で価格査定ができるようになるまでには2年を要しました。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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