【No.】 417
【ストレッサー】 ルールが厳しすぎる弊害
【内容】 会社としては生産台数分しか部品を購入しない厳しいルールだったため、生産現場では半完成品の山だらけで驚く
【分類】 D 仕事
【効果】 ★★★
【対処法】 仕入先とあらかじめ交渉して、注文数の10%程度はスペアとして多めに手配してもらえるようにしておく
【ストレッサー型】 4 モンモン未来不安型
【解説】資材調達の仕事をしていると、いろいろと矛盾に感じることも多々ありました。担当部品が注文した数だけでは足らなくなるかもしれないと感じても、独断で部品を購入することはできませんでした。
そのような時には管理課を通じて、関連各部署に確認してもらい、必ず注文依頼書を発行してもらわなければなりませんでした。資材調達担当者が好き勝手に部品を購入すると、不正行為の温床になる恐れがあります。
一番の悩みの種は例えば、ある製品の生産数が50台と決まると、会社のルールで部品は50台分ちょうどの数量しか注文ができませんでした。例外として、最小購入単位が決まっている部品は面倒な管理が求められました。
例えば、購入単位が500個の部品を注文して50個しか使用しない場合、残った450個に関して、担当者が紙に書いて在庫管理をする必要がありました。その部品については、紙の計算上在庫がなくなった時に、次回の注文をするような流れでした。
それと、50台分ちょうどの部品しか購入できないため、現場から数量が足りなかったとか、不良品だったとか、あるいは、部品を壊してしまったという時は、大変な思いをしました。不足した部品のために、製品は完成品にはならないので、入手まで2~3カ月もかかってしまう部品に関しては地獄を見ることになりました。
そのような時には、修理センターの補修用部品の在庫があれば、一時的に借りるというようなこともありました。あるいは、設計部門がメーカーからのサンプルとして入手したものがあれば、何とかもらって生産用に使用することもありました。それでも、社内になければ、仕入先に頼んで市場在庫を探してもらって、見つかっても割高で購入するというようなこともありました。
そもそも製品の製造は人間がしているので、ミスをして部品を壊してしまうのは当然起こり得ます。製造現場で部品ごとの不良率(仕損じ率)を把握して、あらかじめ製造現場の責任で余分に部品の手配ができていれば、問題はなかったと思いました。しかし、いつも同じことの繰り返しで、そのしわ寄せは資材調達担当者に来ていました。
ひどい話、部品を壊してばかりいるような現場の人で、注文依頼書には理由を書かなければならないので、部品が最初から足りなかったと言い張る人がおりました。仕入先の担当者に不足数を入れて欲しいと頼むと、部品が足りなかったはずはなく、3人で確認をして出荷していると主張されてしまい困惑しました。
何とか頭を下げて納品してもらうような有様でした。お互いに証拠がなかったので真相はわかりませんが、あまりにもルールが厳しすぎると、こういった弊害がありました。他にも同じ人から被害に遭った資材調達担当者が多数出ていました。
製造現場では、1個でも部品が足りないと完成品にはなりません。中途半端に出来た半完成品が工場の一角に大きなスペースを取って置かれていました。部品の仕損じ率を上乗せして部品を購入していれば、ほとんどが防げた内容でした。会社の上層部はこの現場を見て改善しようとしなかったような気がします。
一方、課長が担当していた仕入先では、指導がしっかり行き届いており、注文数に対して、10%程度上乗せした数を余分に手配してくれていたので、いざという急な注文の時に、早急に対応してもらえました。その当時には、これが最善の方法だったのかなと思いました。
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