【No.】 276
【ストレッサー】 杜撰な年度目標にうんざり
【内容】 次年度の改善提案年間目標が250件になり、会社の実力としては10件程度しかないのに、うんざりしてしまう
【分類】 D 仕事
【効果】 ★★
【対処法】 会社目標なのだから、ひとりで達成するものではなく、全社員がひとり2件提案すれば、その方が会社のためになると上司に言う
【ストレッサー型】 6 ムカムカ関係誤解型
【解説】 改善提案制度で年間目標150件に対して、小生が200件も提案したため、210件の達成になりました。社長は大喜びをしていましたが、小生がいなかったら、たったの10件という内容にむなしさを感じていました。
ところが、何を勘違いしたのか、次の年度の改善提案制度で年間目標が250件になっていました。会社の実力としては10件程度しかないのに、小生に240件提案しろというようなものでした。
小生ひとりでも200件の改善提案実績があるので、250件提案できるとは思いました。しかし、あくまでも会社目標なので、全社員が参加して目標を達成しなければ意味がないと思いました。
そこで、会社の成長のことを思うと、小生ばかりが改善提案をしてはいけないということで控えることにしました。数カ月が経って、異変に気づいた常務と部長のふたりに呼ばれて、「どうして改善提案書を出さないの?」と訊かれました。「会社目標なのだから、ひとりで達成するものではなく、会社として全社員に改善提案の啓発活動をすべきです。」と当時は認知の歪みの「べき思考」とは気づかずに生意気な発言をしてしまいました。
さらに、「社員が120人以上いるので、1人2件ずつ改善提案をすれば、目標達成が可能になりますし、その方が社員のため会社のためになりますよ。」と偉そうに正論を言ってしまいました。上司ふたりは苦虫を潰したような表情をしていましたが、特に反論はしてきませんでした。
小生はその年は改善提案書を1件も出さずに、会社としても全社員に啓発活動をすることもなく、1年が終了しました。結果として、改善提案年間目標が250件に対して20件も満たない結果に終わりました。役員や部長も必死になって改善提案書を記載したようですが、合計で10件にも満たなかったようです。
何だか経営陣の考え方が全社員に伝わっておらず、社員がみんな違う方向を見ているような気がしました。そして、いきなり、社長交代があってビックリしました。小生が非協力的な態度を取ったせいだとは思いませんが、上層部に睨まれてしまったのは間違いがありませんでした。そして、小生の人事異動がありました。
次の異動先は何と本社の古巣の部署でした。中途入社した当時の酒癖の悪い課長が部長に昇格しており、どうやら小生を引っ張ってくれたようです。海外駐在事務所にも1度顔を出してくれたことがありました。何かと小生のことを気にかけていただいていました。
仕事がとても有能な方で、右も左もわからない小生に、仕事の基本から丁寧にお手本を見せてくれながら教えてくれました。しっかりしたポリシーを持っていて、商品知識が深く、商談時の交渉術は見事でした。その経験は、小生のその後の海外駐在事務所での商談などで非常に役に立ちました。
古巣に戻った安堵感も束の間で、その後に大きな悲劇が訪れてくるとは、その時は知る由もありませんでした。(つづく)
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