【No.】 327
【ストレッサー】 ホテルでつまみ食いの日々
【内容】 賄いの料理のおかずが1品だけで足らず、お客の残した食べ物をつまみ食いしていた姿に情けなかったと思う
【分類】 E 身近な出来事
【効果】 ★★★
【対処法】 従業員のみんながつまみ食いをしており、そのまま廃棄されるものだったから問題なかったのかなと思うようにする
【ストレッサー型】 3 クヨクヨ過去悔恨型
【解説】 高原でのレタス収穫のアルバイトを辞めて、次に選んだのは、温泉で有名な観光地にあるホテルでの裏方の仕事でした。最寄駅から小一時間バスに乗りましたが、都会のバスの均一料金とは異なり、料金がタクシーのように上がっていくのがとても気になりました。往復交通費はホテル側の負担でしたが、1000円近くかかる路線バスに生まれて初めて乗り、大変驚いた記憶があります。
ホテルに到着して常務と面談をしましたが、小生のあまりにも日焼けした顔にビックリされました。直前までレタス収穫のアルバイトをしていたことを話しました。接客業務だとNGになりそうな日焼け具合でしたが、裏方の仕事なので問題なく採用されました。
ホテルでの主な業務は客室係で、食事の後片付けと布団の出し入れでした。朝と夜の仕事で昼間は自由時間でした。恐らく、従業員のほとんどは寮に入居していました。夏休みの繁忙期で大量にアルバイトを雇用したため寮が満員になり、客室の一部を寮にしていました。
小生の他に3人の学生が同室になりました。4人とも大学1年生でお互いの大学の状況を話したり、いろいろと情報交換ができました。そのうち2人は付属高校から大学に進学したとのことでした。高校ではあまり勉強しないで遊んでばかりで有名大学に進学できたということで、大学入試に苦労した小生には羨ましい限りでした。
一応、朝昼晩と3回の食事が出ましたが、おかずは1品のお粗末なものでした。若者の食事としては物足りませんでした。ご飯のおかわりは自由でしたが、おかずが足りませんでした。
ひどいのはカレーでした。鍋を全然洗っていないそうで、前回のカレーがついているのを追加して作っているという噂でした。雑菌などは加熱時間が長いので、滅菌がされて食中毒にはならないのでしょうが、それを聞いてしまったら食べる気が失せました。
そんな状況だったので、朝食と夕食の客室の食事の後片付けの時、従業員はみんな客の残した食べ物をつまみ食いしていました。小生は最初つまみ食いに躊躇しましたが、明らかに客が手を全くつけていない食べ物に限り、つまみ食いをすることにしました。
子どもの頃から、豪華な料理を食べたことのない小生にとって、生まれて初めて口にする高級料理の数々でした。小生が食べないと、そのまま捨てられてしまうのはもったいないという思いもありました。実際、客の残した食べ物はすべて廃棄されました。現在は病気の感染とか心配になることでしたが、当時の社会通念には、そういうことはあまり認識されていなかったように思われます。
夜の仕事が終わると、時々、タクシーに乗って10人ぐらいでスナックに出かけることがありました。お酒が入っていろいろと盛り上がるのは楽しみでもありました。ところが、酒グセの悪い人が同室におりました。
小生はお酒が入ると、なかなか眠れなくなるのですが、その人はグッスリといびきをかいて眠っておりました。ところが、突然布団から出て立ち上がり、パジャマのズボンを降ろしてその場で立ちションを始めてしまいました。「ここはトイレではありませんよ!」と小生が叫んだら、その人はビクッとして、そのままトイレに走っていきました。
9月になると、仲良くしていたアルバイトの人たちが、次々と辞めてホテルを去っていくのは寂しいものがありました。小生は大学が始まる9月中旬のギリギリまで働いておりました。温泉もいいお湯が出て、思い出の深いホテルでしたが、現在は廃業というのが残念でなりません。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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