【No.】 427
【ストレッサー】 人を苦手に感じる気持ち
【内容】 過去の人生の体験から、本能的に苦手に感じる人がおり、そういう人とどのように接していいか悩んでしまう
【分類】 B 人間関係
【効果】 ★★★★
【対処法】 その人の考え方や物事の見方や発言内容などが自分とどのように違うのかを考え、その人のいいところを見つけるようにする
【ストレッサー型】 6 ムカムカ関係誤解型
【解説】仕事をしている職場では、若い人で18歳、上の人では65歳を超えるような方々が働いております。中には本能的に苦手意識を感じてしまう人がおります。学生の時のように全員が同世代であれば、育った時代が共通であることをキーにして、苦手と感じる人がいても、意外と共通点が見つかって、話が盛り上がることがあります。
ところが、年齢差があると、子どもの頃に育った時代背景が全く異なるので、共通の話題がなくその手は使えません。次に考えたのは、仕事ができる人に対して、その人の考え方や物事の見方や発言内容などが自分とどのように違うのかを考えました。その中でいいところを見つけられると、その人への苦手意識が薄らいでいくことに気づきました。
例えば、資材調達部へ入社した頃の部長は、50代前半で大手家電メーカーで若い時から資材調達の経験があり、海外駐在経験もある人でした。ところが、声が非常に大きくて、100メートルくらい離れていても、喋っている内容が普通に聞こえてきました。それも、くどいくらいに口うるさく発言することがありました。小生の部長への第1印象としては苦手な人でした。
その後、部長が時々顔を上下につぶすような表情を無意識にするので、クシャおじさんのモノマネのように見えることに気づきました。以降、その仕草を見るとクスクスと笑うようになっており、徐々に苦手意識が薄れていくのを感じていました。もしかしたら、声が大きいのは難聴だったのかなと考えたことがありました。
その部長ですが、口癖にしている言葉がふたつあり、毎日のように聞かされるので、いつのまにかモノマネをする人たちが出てきました。誰かが部長のモノマネをすると、周囲は爆笑になりました。もちろん、ご本人のいない時でした。
❶「おっしゃるとおりです」
「おっしゃる通り」という言葉は、「あなたの言う通り」という意味の尊敬語になります。部長は社内では部長以上の人、仕入先では社長や役員クラスの人たちに対してよく使用していました。ただ、部長は「おっしゃる通りです」と最初に言って、相手を全面的に肯定して持ち上げておいてから、その後に自分の持論を言って反論することが多かったように思いました。
❷「ごもっともです」
「ごもっともです」という言葉は、相手が言ったことに対して「あなたがそう言うのは当然です」という意味です。相手の話す内容を肯定する時に、相槌のように使われることもあります。部長は部下に対しても幅広くこの言葉を多用していました。これも角が立たないように、相手の意見を肯定しながらも、自分の意見を主張する時に多用していました。
部長と取締役との間に何が起こったのかは、小生の入社前の話なので詳しくは知りませんが、お互いに犬猿の仲でした。部長が部下思いだとはっきりと知ったのは、小生よりも6歳年上の係長ふたりを課長に同時抜擢した時でした。その後、取締役が戻ってきて、部長は海外駐在事務所勤務になってしまいましたが、元部下たちのことを温かく見守ってくれておりました。
海外駐在事務所にも、パワハラ部長の噂が広まってしまったようで、元上司の部長から国際電話が入りました。課長昇進のお祝いを言われ、パワハラ部長の件でいろいろと慰められておりました。部下の面倒見のいい部長とわかっておりましたが、改めて電話をいただいたことでありがたく思いました。電話の向こうでクシャおじさんの表情をしているのかなと考えたら、思わず笑顔になっている自分がおりました。
パワハラ部長と比較するとなおさら、そのクシャおじさん部長はすごくいい部長だったと改めて感じたものでした。
いつもお読みいただきありがとうございます。
クシャおじさんを知らない方は下記動画をご覧ください!
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