【No.】 425
【ストレッサー】 部下3人の相次ぐ退職
【内容】 部長のパワハラが原因で部下3人が相次いで退職することになり、何もできなかった自分が情けなくなってしまう
【分類】 D 仕事
【効果】 ★★
【対処法】 取締役も部内の異変に気づいて、部長の更迭を本気で考えていたことを知り、今後の相談相手になると思い少しは安心する
【ストレッサー型】 2 オドオド自信喪失型
【解説】モンスター部長のパワハラは凄まじいものがありました。パワーハラスメントは今世紀になってからできた言葉で、当時ではその現象が何という名称なのかがわかりませんでした。現在では、間違いなくパワハラと認定されると思われるので、我慢する必要はありません。
小生も部長から頭ごなしに怒鳴られる被害(精神的な攻撃)に何度も遭っていましたが、子どもの頃に父から同様なことを頻繁にされていたので、免疫耐性があったのかもしれません。ただ、パワハラを続けられることにより、復讐心に火がつきつつありました。
課内では取り返しのつかない大変なことが起こっておりました。他社で海外勤務経験のある係長は、仕事の知識も豊富で英語もペラペラ喋ることが出来て、海外部品メーカーに直接注文をする業務をしておりました。
ところが、彼の能力に嫉妬した部長が、ちょっとしたミスなのに、社員や仕入先担当者たちが大勢見ている前で、彼を頭ごなしに怒鳴りつけることを何度も繰り返していました。(精神的な攻撃)
社内に部長職以上の人が不在の時に、そのようなパワハラ行為に出ておりました。仕入先からも苦情が出ていましたが、全くお構いなしにパワハラ行為は止まりませんでした。さらに、ノートを丸めて彼の頭をポカンと叩いてしまいました。(身体的な攻撃)
その後すぐに、係長から退職願が提出されました。小生は慰留をしたのですが、彼の意志は覆らずに去っていきました。理由は一身上の都合ということでしたが、部長のパワハラが原因だというのは明らかでした。
係長の退職は部内の他の人たちにも悪影響を与えました。もうひとり一般社員の男性ですが、部長は大勢の前で彼への人格否定発言を繰り返していました。(精神的な攻撃)さらに、残業で連日10時過ぎまで働かされ(過大な要求)、通勤に片道2時間もかかると帰宅が深夜となり、このままでは身体が持たないという理由で去ってしまいました。次に行く会社も決めているとのことで、止めようがありませんでした。
退職したふたりの仕事は小生と新入社員の男性が引き継ぐことになり、負荷が増大しました。新入社員の男性は、そういうことをあまり気にするタイプではなく、パソコンの作業が早かったので、何とかこなしておりました。補充の中途社員がひとり入ってきましたが、資材調達の仕事は即戦力が難しく、実質、小生と新入社員のふたりで切り盛りしておりました。
さらに、女性事務員も次々と人が辞めていく陰湿な雰囲気を嫌って辞めてしまいました。女性事務員の後任は管理課の女性社員が異動になりました。彼女にも部品担当を少し持ってもらうことにしました。部長が着任してから半年も経たないのに、部下が3人も次々と辞めていってしまうのを止めることができない自分が情けなくなってきました。
ある仕入先の情報で、部長が以前勤めていた会社を偶然担当していた人がいました。その会社でも部下が3人も辞めているという話を聞きました。本人は全く反省がなく、同じことを繰り返しているという事実を知って唖然としました。
取締役とは部長の件で、腹を割って相談する機会がありました。部下が3人も辞めたことに関して、自分のせいで辞めたということに部長が全く気がついていないという話が取締役からありました。取締役もその異常さに気づき、部長を更迭する人事を考えていたようですが、常務取締役が部長をかばって却下されてしまったということでした。
結局、話はそれ以上進展しませんでしたが、取締役も部長には困っている様子が伺えたので、何かあったら今後も取締役には相談できると思いました。
ところが、隣の課でもさらに大きな問題が起こっておりました。(つづく)
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