【No.】 283
【ストレッサー】 ビジネスの他社への譲渡
【内容】 コンビニの仕事は順調に売上を伸ばしていたが、仕入先経営悪化で、ビジネスの他社譲渡という結果になってしまう
【分類】 D 仕事
【効果】 ★★★
【対処法】 手塩にかけてきたわが子を他人に身売りされるような気持ちになり、心身ともに疲れてしまい本業に戻ることを決意して退職する
【ストレッサー型】 5 ヘトヘト疲労困憊型
【解説】 MMK(マルチメディアキオスク)端末での販売スタートに合わせて、チラシを商社の印刷子会社に100万部発注しました。これも小生が原案をパワーポイントで作成しました。一字一句間違いがなく印刷ができました。コンビニの配送ルートに乗せてチェーン店全店に届くようにコンビニ本部に依頼をしました。
いよいよサービスがスタートすると、予期せぬトラブルが発生しました。違う店舗でふたりのお客さんがほぼ同時期に同じ商品を購入すると、タッチの差で後のお客さんにはエラー表示になってしまうことが起こりました。早速、システム会社を呼んで再発防止策をその場で決めて緊急システム変更をしました。
それ以外は大きなトラブルもなく、順調に売上が伸びていきました。画面の他にもレシートなどの印刷物も担当していました。コンビニのネットワーク回線を担当している会社に新幹線に乗って定期訪問をし、月に1回のシステム変更依頼をしていました。
毎月のように売上が順調に伸びていき、楽しみな日々を過ごしておりましたが、コンビニは品切と欠品を嫌がるので、在庫管理は毎日慎重に行っていました。仕入先には発注して納品されるまで数日かかるのと、注文単位が決められていたので、油断はできませんでした。
スタートしてから1年近く経った頃だったと思いますが、予期しないことが起こりました。商社の管理部門より、仕入先の1社が与信管理審査でNGが出て、このままだと倒産の恐れがあると取引停止命令が出てしまいました。コンビニ本部にも相談しながら、その1社をコンテンツから外す提案をしましたが、コンビニ本部は認めてくれませんでした。
そこで、商社が出した結論は、ビジネスの他社譲渡という結果になりました。このビジネスをスタートするにあたり、何億円もの投資をしておりましたが、都合が悪くなった時の商社の変わり身の早さには驚きました。小生としてはわが子同然に、手塩にかけてきたシステムを他人に身売りされるような気持ちになりました。そして、自分の人生を見つめなおすことにしました。
事業撤退で物流センターの閉所により、大勢の仲間たちを失い、今回のコンビニビジネスの事業譲渡はさらに悲しい出来事でした。恐らく、このまま商社にいれば、小生には3度目の仕事が与えられることになると思っていました。
しかし、過酷な時間外労働により、心身ともに疲れ果ててしまっており、商社ではもう立ち直ることができなくなっていました。2度あることは3度あるという考えが非常に強く、退職することにしました。他のメンバーふたりには、製造業に戻って本業の仕事をしたいと告げて商社を去りました。
その後、小生の作ったシステムがどこに譲渡されたかはわかりませんが、現在も継続してそのコンテンツは販売されています。今は客の立場で、そのコンテンツとシステムの成長を静かに見守っている自分がいます。皮肉にも本業とは思ってないのですが、「〇〇のコンビニで販売している▲▲というコンテンツを立ち上げました」と最近、自己紹介で言っていました。(つづく)
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