【No.】 172
【ストレッサー】 時間を浪費する深読み
【内容】 相手の言動からあれこれ意図や深層心理を悪い方に推察して、ネガティブ思考になってしまう
【分類】 B 人間関係
【効果】 ★★★
【対処法】 深読みをしている時の相手の気持ちは、実は自分が相手となった場合の自分の気持ちだということに気づく
【ストレッサー型】 6 ムカムカ関係誤解型
【解説】 深読みとは、結論の飛躍の一種で、真実の感情や判断とは無関係にネガティブな可能性を推測してしまう認知の歪みです。明確な根拠がないにも関わらず、相手の言動からあれこれ意図や深層心理を悪い方に推察して、怒ったり傷ついたりしてしまいます。さらに、それ以外の可能性を考えてみようともしない状態になります。
例えば、友人がLINEで既読であるにも関わらず、返事をくれないことに「自分を嫌っているに違いない。もう会わないようにしよう」と相手の本当の感情や判断とは無関係に悪い方に深読みして結論を出してしまいます。
逆に自分の言動に問題があったのかなと考えてしまうと、相手がどう思っているのか想像しすぎると「さっきの自分の言葉で相手は傷ついたに違いないから、きっと絶交されてしまう」と相手の心を勝手に読み取ってしまいひとりで悩んで傷ついてしまいます。
こうした「結論の飛躍である深読み」は、自分の方から相手を遠ざけることになり、人間関係を難しくしてしまうことになりえます。自分で作った勝手なストーリーに振り回され、たくさんの時間とエネルギーを浪費することになります。
深読みでネガティブな感情に陥ってしまったら、「心の読み過ぎではないだろうか?」と自問できるようになればそれに越したことはありません。実際に起こった出来事と、自分の思考を分離して考え、「相手が本当にそう言ったの?」とか、「本当に自分のせいなの?」とか、あるいは、「他の可能性はないの?」と自問自答して客観的な視点を持つことが有効かもしれません。
そして、相手の気持ちを深読みして想像しているようでいて、実を言うと、全く相手のことが見えていません。あたかも鏡の中で自分自身と向き合っているようなものです。それは相手が考えていることではなく、自分が相手の立場の時に考えてしまうものだと気がつくと一連の悩みが解決するかもしれません。
いつもお読みいただきありがとうございます。