【No.】 169
【ストレッサー】 べき思考は怒りのサイン?
【内容】 自分の中では当たり前の考えが、それが考え方のクセになっていることには気がつかないで怒りになっている
【分類】 B 人間関係
【効果】 ★★★★
【対処法】 自分とは違う考え方や違う行動に対し、「~すべきだ」という思考が出てきても、少しだけ思いとどまって相手を尊重してみる
【ストレッサー型】 6 ムカムカ関係誤解型
【解説】 べき思考とは、自分が当然と思っていることとは違う出来事が起こると、「~べきである」と考えてしまい、自分の行動や相手の行動を批判したり、縛ったりする考え方です。小生の場合もそうでしたが、自分の中では当たり前の考えなので、それが考え方のクセ(認知の歪み)になっていることにはなかなか気がつかないので厄介です。さらに困ったことに、べき思考が原因で怒りに変わってしまうことがよくあります。
べき思考が身についてしまった原因として、白黒思考同様、学校教育の中で形成されたとか、精神論の強い会社で長く働いていたからなのかなという気づきがありました。それとテレビで放映されるドラマの勧善懲悪思想の影響が多大かもしれません。正義の味方が最後に悪党をやっつけてハッピーエンドで終結する物語のことです。
今から3年ほど前、コロナ感染症に対する恐怖感を背景に、マスクをつけていない人に対して罵倒してマスクの着用を強要する「マスク警察」と呼ばれる過激な人たちが全国のあちらこちらで話題になりました。
マスク警察の人たちには「外出する時にはマスクをすべきだ」という認知の歪みがあったと思われます。今もそうですが、マスクの着用は法律違反ではないのですが、べき思考によって怒りとなり、自分の価値観に相手を従わせるという行動に出てしまったと推察されます。
また、最近起きたニュースとして、ある空港で外国の航空会社の機内で、日本人女性が外国人客室乗務員に「ここは日本であり、日本語を話すべきだ」ということで口論となって激昂し、自制心を失って大騒ぎしたため飛行機から降ろされたというハプニングがありました。その結果、飛行機は出発が40分遅れたということでした。べき思考が怒りとして表面化して、行動に出てしまったのかなと思いました。
ふだんの生活の中で、自分とは違う考え方や違う行動をする人に会うことがあります。そして、違和感を覚えたり,理解できない気持ちになることも珍しくありません。法律違反や差別、ハラスメントなどの嫌がらせではない限り、そのような時は、「~すべきだ」という思考が出てきても、少しだけ思いとどまって、表情や言動に表面化することを避けて、お互いを尊重し合うことが必要だと思うことが、べき思考の対処法になるのかなと考えています。
最悪でも、べき思考が原因で怒りとしてキレてしまうことだけは避けなければなりません。そんなことをする人に対しては、感情のコントロールのできない人として、周囲の人たちの目も冷たく変わってしまいます。
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