【No.】 194
【ストレッサー】 ネガティブなひとり反省会
【内容】 嫌な出来事が、頭の中でグルグルと回転するようにネガティブ思考に見舞われるひとり反省会をしてしまっている
【分類】 E 身近な出来事
【効果】 ★★★★★
【対処法】 グルグル思考は病気を誘発しやすい行為だと自分に言い聞かせて強制終了するか、他の作業に集中することにより深入りしない
【ストレッサー型】 3 クヨクヨ過去悔恨型
【解説】 ひとり反省会とは、「余計なお節介をしてしまったかもしれない?」とか、「どうしてあんなことを発言してしまったのだろう?」とか、「選択肢を間違ったかもしれない?」などと、出来事が起こった後で、考えが頭の中をグルグル回転するようにネガティブ思考に見舞われる状態のことです。正式には、反芻(はんすう)思考と言いますが、グルグル思考と言った方がわかりやすいかもしれません。
特に人間関係において、自分の言動によって相手のその時の表情を思い出し、「なんでもっと気が利くアドバイスができなかったのだろう?」というようなネガティブ思考が始まって、「ああすればよかった、こうすればよかった」と自分を責めて落ち込むような抑うつ気分に見舞われます。ひどい時は、一日中グルグル思考に囚われてしまうこともありました。
グルグル思考をしてしまいがちな人としては、完璧主義で自分の言動が相手のためになっていたかどうかをひとつずつチェックして反省してしまいます。そして、思いやりから、自分の言動が相手を傷つけていなかったかといったことが気になってしまいます。さらに、感受性が高く、相手のちょっとした仕草や態度に反応するので、不安から余計なことを考えがちです。
グルグル思考の問題点としては、過去の不快な出来事を運がなかったとか、自分の選択が間違っていたと自己否定や不満から反省してしまいます。その結果、答えが見つからないのでグルグルしてしまいがちで、時間と労力の無駄に終わることが多いです。そして、ポジティブなことよりもネガティブなことに多くの時間を費やすので気分が落ち込みます。さらに、ネガティブ思考の負の連鎖に見舞われると、自力で抜け出すことが困難になります。
自分を責めて落ち込むことが続くと、不眠症やうつ病などの病気を発症して日常生活に支障が出たり、既に発症している場合は、さらに症状を悪化させると言われています。グルグル思考に自分では悪いことをしているという自覚がなく、反省をすることによって何かいい方法が見つかると信じ切ってしまっています。そのうえ、将来に役立つアイデアが浮かぶことがなく、ポジティブな気分になれないということを全く知りません。
ですから、誰かが本人に「グルグル思考をしてはいけません」と教えてあげないと本人が気がつかないことが多いです。小生も4年前に、臨床心理士の先生から教わってグルグル思考は危険な行為だと初めて知った次第です。それまでは誰も教えてくれず、まさに目から鱗が落ちてきました。
グルグル思考から脱却する対処法
❶強制終了する
グルグル思考は危険行為だと認識して、グルグル思考に気づいたら、「病気にはなりたくないや」と考えてすぐに強制終了をします。「ひとり反省会はもう終わり」とつぶやくのもいいかもしれません。
❷強制終了できない時は、メモを取る
ネガティブ思考やその原因についてメモを取ってから、頭の中から一旦外に出します。
❸他の作業に集中する
別のことに集中することにより、グルグル思考はいつの間にか消え去っていきます。
❹翌日以降にメモを見て今は何がベストの選択か考える
自分がした失敗をグルグル思考するより、冷静な自分に戻ってから、完璧主義などの認知の歪みに気づいて、再発防止策を考えた方が問題解決につながりやすいと考えてみます。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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