ストレス解消法のブログ

ストレスの対処法(コーピング)を毎日紹介します。

No.297 300回特別企画① 私は本当にダメな人間か?

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No.】 297

【ストレッサー】 は本当にダメな人間か?

【内容】    「私はダメな人間だ」と思考が浮かんできて囚われてしまい、時間を無駄にしている自分がいる

【分類】    E 身近な出来事

【効果】   ★★★★★

【対処法】  「私はダメな人間だと思った」と言い直したり、「自己嫌悪君こんにちは!!」とニックネームをつけて挨拶をしてみる

【ストレッサー型】 2 オドオド自信喪失型

 

【解説】 言葉とイメージで作られた自分自身の思考によって、まるで現実であるかのように囚われてしまっている状態のことを認知的フュージョンと言います。これに対して、自分の思考とは距離を置いて客観視するテクニックをフュージョンと言います。

 

 思考が正しいか間違いであるかは全く関係なく、思考が自分のためになるかどうかという視点だけで選択します。フュージョンは、自分のためにならない思考に対して気にかけないという魔法をかけるようなものです。その結果、ネガティブな思考から受ける強い衝撃を和らげることができます

 

 思考に囚われた認知的フュージョンの状態の具体例としては、たとえば、若い頃に務めていた会社でミスをした時に、当時の上司にひどく叱られた経験があるとします。その時に、猛省をした後に、「私はダメな人間だ」と思ってしまったことが強く記憶に残っていると、頭の中で「私はダメな人間だ」という思考が突然起こることがあります。

 

 もう、そのひどく叱る上司はいないのにも関わらず、あたかも、それが現実に起こっているかのように反応してしまい、ネガティブな思考に囚われてしまいます。実際は、目の前には誰もいないのに心ここにあらずの、時間を無駄に過ごしてしまうような経験は誰にでもあるかと思います。

 

 「私はダメな人間だ」という思考は、ためにならない思考というのは容易に判断できます。なぜならば、自分を卑下してもやる気を失くすだけで、こんな思考を考えても何も教えてはくれないからです。自己批判をしても、役に立つような行動にはけっして結びつきません。

 

 そして、このようなネガティブな思考から逃げようとしたり、忘れようとしたりしても、ネガティブな感情が増大してしまうことが知られています。そこで、フュージョンのテクニックで、役に立たない思考は単なる言葉の羅列でしかないことに気づき、思考のストレスは気にかけなくてもけっして害にはならないことを理解するものです。

 

フュージョンの方法 


フュージョンができたら全部やる必要はありません

 

自分には役に立たない思考と判断してくれた頭脳に「ありがとう」と感謝する


👉思考が自分のためになるかどうかという視点だけで選択してくれた自分の頭に感謝をします。


フレーミングという手法で言い換えてみる


👉「私はダメな人間だ」という思考を「私はダメな人間だという考えを持っている」と言い換え、さらに、「私はダメな人間だという考えを持っていることに気づいている」と言い換えてみます。リフレーミングによって現実の思考を客観的に見ることができるようになります。その結果、役に立たない思考とは距離を取ることができたと実感できたらしめたものです。

 

ネガティブな感情や思考を物語風に紙に書いてみる


👉「昨日、私は仕事でミスをしてしまい、『私はダメな人間だ』という思考に囚われてしまいました。若い時にいた会社でミスをしたら、ひどく叱られた記憶がよみがえってしまい、つらい気分になって睡眠も十分に取ることができませんでした。」


ネガティブな思考にニックネームをつける


👉「私はダメな人間だ」という思考が出てきたら、「自己嫌悪君」というようなニックネームをつけて、「自己嫌悪君、こんにちは!! また出てきたのね」とか言って挨拶をしてみます。あるいは、試験に落ちて落胆した時は、「ガッカリ君」でもいいと思います。


ネガティブな思考を替え歌にしてみる 

ビックカメラの歌の替え歌/聖歌687番)


👉 「♪わん、わん、わたしはダメ人間
   きのうは仕事でミスをした
   かん、かん、かいしゃの上司から
   叱られるかもと眠れない♪」


(詞は「たんたんたぬき」調に作成)

ためにならない思考に囚われると、時間を無駄にしてしまいますよ!!

 

 人は一日に数千個の役に立たない思考が浮かんでくると言われています。「私はダメな人間だ」という思考もそのうちの一つです。それに気づいてくれた、自分の頭に感謝の気持ちを伝えましょう。

 

 どんなに残酷で悪意に満ちた訳のわからないような思考が沸き上がってくることもありますが、そういった自分のためにならない思考に取り合う必要がないことをフュージョンで学ぶことができます。

 

 フュージョンの目的は、役に立たない思考のプロセス(認知的フュージョンの状態)から脱することです。そして、不快な思考を取り除くのではなく、思考が単なる言葉の羅列であることに気づき、思考と戦うことをやめることです。そうすれば、意識をもっと重要な役に立つ思考に注ぐことが可能になります。

 

 脱フュージョンをした多くのケースでは、気分もよくなりますが、気分がよくならないこともあります。気分のコントロールとして脱フュージョンを使うことは厳禁です。気分がよくなるのは「おまけ」と考えた方がいいかもしれません。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。