【No.】 299
【ストレッサー】 未来の受験への不安
【内容】 受験を半月後に控えて、いろいろと不安な思考が次々と浮かんできて、このままでは潰れてしまいそう
【分類】 E 身近な出来事
【効果】 ★★★★★
【対処法】 将来の不安を感じる場面で、マインドフルネスで意識を呼吸に集中することで本来の自分を取り戻し、落ち着いた気分になる
【ストレッサー型】 4 モンモン未来不安型
【解説】 ネガティブな言葉とイメージで作られた自分自身の思考によって、まるで現実に起こっているかのように囚われてしまっている状態(認知的フュージョン)から抜け出す対処法を2回に渡って書いてきました。
第1の方法として「脱フュージョン」、第2の方法として「アクセプタンス(受容)」です。今回は、入学試験、検定試験、就職試験などの受験に関して、未来のことへの不安を取り扱ってみました。
アクセプタンス(受容)ができるようになれば、かなりの効果があると思われます。しかし、それでも解決しない場合は、第3の方法として「現在との接触」、第4の方法として「観察する自己」というのがあります。実は、「現在との接触」と「観察する自己」をいっしょにしたのが、「マインドフルネス」ということになります。
マインドフルネスは、うつ病や不安症などに効果があると言われています。今自分が生きているこの瞬間をあるがままに感じ取り、良いとか悪いと判断したり、評価したりせずにそのまま眺めたり、受け入れることをします。
そして、呼吸に意識を向けて行うのが基本です。ただし、呼吸にものすごく集中する必要はなく、適度に呼吸に集中するという軽い気持ちで臨むといいかもしれません。
マインドフルネス呼吸の手順
❶椅子に背筋を伸ばして腰を曲げずにしっかり座る
👉猫背にならないように気をつけます
❷あごを引いて首をまっすぐ伸ばし肩の力を抜く
👉緊張せずにリラックスな気持ちで臨みます
❸目は閉じるか半開きにして、半開きの時は床の1メートル先に視線を合わせる
👉目を閉じた方が呼吸に集中しやすいと思われますが、目を閉じると強く不安に感じてしまう方は、目を半開きでもかまいません。
❹鼻から息を吸って吐くことを繰り返し、腹式呼吸を意識する
👉場合によっては口から吸って口から吐くとか鼻と口を交代して呼吸の違いを味わうというのも面白いかもしれません。腹式呼吸には、心を落ち着かせたり、脳を活性化する効果が期待できます。
❺呼吸のスピードは自然にまかせ、身体がしたいようになすがままにする
👉呼吸を意図的にコントロールすることを避け、あるがままに受け止めます。呼吸が浅ければ浅いなりに、速ければ速いなりに評価せずにそのまま味わいます。
❻意識は自分の呼吸に集中する
👉鼻から入った空気が気道から肺に入っていく感覚や、食道から胃に入ってお腹が膨らんだり、息を吐くことでへこんだりして息が外に出ていく感覚も味わいます。
❼雑念が出ても気づいて評価をせずにゆっくりと意識を呼吸に集中させる
👉雑念とは、過去に起こったできごとや将来への不安、期待、計画や身体が感じる痛みなどの感覚などいろいろあります。
常に「自分が感じていること」や「身体に現れる感覚」に興味を持って自分自身でしっかり受け止めてみるという姿勢が必要です。
マインドフルネス呼吸の訓練で、不安やイライラするような場面でも、意識を呼吸に集中することにより本来の自分を取り戻すことができ、落ち着いた気持ちになります。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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