【No.】 386
【ストレッサー】 利益の取れない商品販売
【内容】 競合他店の安い価格対応での販売が多くなると、お店の利益が出なくなるので、利益確保に四苦八苦してしまう
【分類】 D 仕事
【効果】 ★★★
【対処法】 規定利益が取れなかった商品の仕入先に対して、利益を補填してもらえるように交渉をして、うまくいった姿を思い浮かべる
【ストレッサー型】 4 モンモン未来不安型
【解説】仕入部に異動することになりましたが、責任者の部長が入院中で不在でした。代理の課長がふたりおり、いろいろと仕事について教えてくれました。その他にも小生も含めて若手が3名部下におり、女性事務員もふたりおりました。通常、こういう仕事は「バイヤー」と言われるのですが、その会社では「マーチャンダイザー」と呼んでいました。
新前なので、概ね1万円以下の商品の仕入を任されました。メーカーと直接の取引はほとんどなく、実際はメーカーの子会社にあたる販売会社との取引でした。中小メーカーや海外メーカーは商社が間に入って取引していました。
当時は、定価(希望小売価格)という考えが信用を失いつつありました。小生が子どもの頃は、2割3割4割引は当たり前というお店が流行っていました。ところが、二重価格問題として公正取引委員会が動いたので、メーカー側は希望小売価格を設定しないで、オープン価格という商品を出すようになりました。
すると、今度は店頭表示価格なるものが生まれて、どこの店舗に行っても表示価格が同じという現象が生じました。この店頭表示価格はメーカーが指示していました。仕入価格はこの店頭表示価格が基準で、メーカーによって差異がありますが、概ね25%から35%の利益(粗利)が店で取れるような仕組になっておりました。ただ、特価品に関しては利益(粗利)が20%も取れない商品もありました。仕入の仕事は商品を単純に仕入るだけではありませんでした。
お店では、お客さんと店員とで、その店頭表示価格からの値引き交渉が始まりました。利益がきちんと取れる価格までは、売場に価格表なるものがあって、その規定価格までは店側の裁量で販売が可能でした。利益率(粗利率)は商品によって異なりました。
ところが、商売をしている以上、規定価格よりも安く売りたい場合もあります。その時は、仕入部が許可を出すことになっていたので、売場からの電話がよく入ってきました。その価格で売っていいかどうかの返事をするのも仕事のうちのひとつでした。
特に競合他店がチラシなどで安く売っている場合は、その価格で対応しないとお客さんに逃げられてしまいます。逃げられたら、そのお客さんはもうお店に2度とは来てくれないと思っておりました。価格対応した場合は、店員に「特価票」なるものを記入してもらい仕入部に送ってもらいました。
その「特価票」を仕入先の営業担当者に見せて、店が赤字にならないように交渉して、利益分を後で補填してもらうようなことをしました。メーカーから「販促奨励金」や「在庫処分費」などとして引き出す、リベートが原資になることが多かったような記憶があります。
もちろん、赤字補填を拒否する仕入先もありました。そういうリベートの出るメーカーの商品を多く売る必要がありました。(随分昔の話なので、現在この制度があるかどうかはわかりません)
いつもお読みいただきありがとうございます。
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