【No.】 472
【ストレッサー】 利益を求めない事務所方針
【内容】 部品価格を下げて営業利益を増やしても、全利益を本社に持っていかれる仕組みにモチベーションが下がってしまう
【分類】 D 仕事
【効果】 ★★★
【対処法】 会社目標が自分に合わない場合、仕事を通じて自分の個人目標に置き換えてみると、モチベーションを保つことが可能だと気づく
【ストレッサー型】 4 モンモン未来不安型
【解説】駐在事務所運営の仕組みをざっくりとは聞いておりました。1年間の仕入金額が日本円で約200億円ありました。そして、仕入金額に3%程度の利益(粗利)を上乗せして、海外の生産協力会社に販売しておりました。
単純計算すると、200億円の仕入で約6億円の営業利益が出る仕組みになっておりました。常に部品価格はコストダウンして原価低減に励んでいたので、実際は営業利益がもっと出るはずでした。
手数料を3%取っても、駐在国で物流に絡むのはわずかで、ほとんどが物流費を伴わない伝票処理だけのものでした。たとえば、台湾生産の部品を台湾の協力工場に送るには、仕入先の部品メーカーがトラックでの輸送費を負担していました。その場合は事務所では一切経費は発生せず、仕入先から納品伝票を入れてもらい、3%上乗せして生産協力会社に売上伝票を発行するだけでした。
6億円の営業利益があれば、日本人5人の高額家賃、ローカル社員も含めた総人件費、及び事務所の家賃や諸経費を支出しても十分のお釣りがきました。家庭向け製品の売上も順調で、毎月100万台を超える生産をしておりました。
ただ、小生が着任してすぐの3月決算時には、想定以上に事務所の利益が上がっていたため、そのままだと課税される金額が増えてしまうとのことで、社長の悪知恵で利益0で事前に販売していたということでした。
悲しいことに、駐在事務所で利益を上げるのは目的ではなく、利益は日本本社に持っていかれる考え方でした。駐在事務所は単なるコストセンターだと聞かされました。正直、真面目に考えるとモチベーションが下がって面白くはありませんでした。
小生としては、スタンスがどうであれ、サラリーマンとして与えられた仕事を粛々とこなすしかありませんでした。その代わり、海外出張をたくさんしようと思いました。もちろん、海外出張には社長の承認が必要なので、お墨付きを得ていれば全く問題ありませんでした。
そして、日当が出張日数分支給されるので、臨時収入として貯金を増やし、帰国後にマンションを購入出来ればいいのかなと自分に言い聞かせていました。会社の目標が自分に合わずにモチベーションが落ちそうな時には、仕事を通じて自分の個人目標に置き換えてみると、モチベーションを保つことが可能だと気づいたものでした。
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